平成23年1月14日
今日は3年前に相談に行った全国新規就農相談センターの
総本山(東京)の相談員の方が来園してくださいました。
宮崎県の都城市に就農した親子の方の取材に来られたとのことです。
「ついで」に(笑)、私のことも気になったのでしょう。
わざわざ 宮崎から電車で川南に来られました。
本当にありがたいことです。
数百人の新規就農相談者の中で、数人が強い記憶として残っていらっしゃるそうです。
光栄にも、私もその中に入っていたと言うことで
本日のご来園につながりました。
「新規就農」に対しては全国でいろいろな問題・課題が表面化しているようで
私の体験とそれに対する意見もご理解いただけたと思います。
超ベテランの「相談員」として、相談者から言われて返答に迷うこともあるそうです。
それは、新規就農するときの選択肢として
地域(就農場所)を先に考えるのか、栽培作物を考えるのか?と言うことです。
木村さんはどう思いますか? と、問われましたので
「どちらでもありません、それはその人の気持ちで成功するかどうかということで
地域でも師匠でも作物の種類でもありません」と、お答えしました。
農業に入り込んで3年が過ぎますが、私が経験してきた企業活動と
なんら変わらないことがわかってきました。
経営者であれ、雇用されている人間であれ、「人」の種類によって
その人のかかわる事業結果が出てきます。
農業では頻繁に栽培作物を変える方々が多い。
経営者は人材の大切さ、貴重さをわからないで、単にパートとして
安く使えることだけを考える人が多い。
就農する人は、場所が好きだから、世話をしてくれる人がいるから、
儲けられそうな作物だから、農地が見つかったから、と言った理由で移住する人が多い。
農業は多岐にわたる経営ファクターがあるのだから、
ひとつのことで決められないことが多いのだと思います。
そんなときに大切なのは、「
その人が何をしたいのか?し続けるのか?」
と言うことだろうと思っています。
その人の能力と技術と総括したプロデュース力が、その人の成功を導くものなので
「場所」でも「作物」でもないとお答えしました。
農業で凋落した家系、這い上がった個人の方々をたくさん見てくると
「
やはり・人」なのだと感じることができます。
だから、全ての事業に共通なことなのです。
相談員の方にお願いしたのは、現実に私も経験したことを
次の方々に伝える情報ツールを作って欲しいと言うことです。
一方的に新規就農をあおるような宣伝的雑誌の中で、にこやかにほほ笑む
若者の写真と記者が書いた文章で、潜在的な就農者を募集することは
後々の悲劇を生みだします。
私たちの生の経験談や、提案を書いて議論し合うことができる
ネット上の掲示板的なものがあれば、相談員の方々の荷が
少しは軽減できるのではないのでしょうか?
相談員の方も唸っておられましたが、私も自分の農場を見て
確かに唸ってしまいました。(笑) よくぞ、ここまでたどり着いたものだと。
まあ、結果はこれからですが。(爆)